オールドレンズという括り

横浜野毛 写真家松田洋子

 

今日はひさしぶりに横浜大貫カメラへ。

私にとって聖地でもあり、学びの場でもあるお店だ。

 

初めて訪れたきっかけは、主催している写真教室の運営が思うように進まず、藁をもつかむ思いでお店にかけこんだことだった。

 

ここに来れば何かわかるのでは?カメラのこと、レンズの事、写真のこと、とにかく何かを掴んで、写真教室の運営、そして自分の作品づくりのきっかけになるのではと思った。

 

 

今日の目的はフォクトレンダー

 

レンズ保管庫を片づけていたら、ひょっこり使っていないレンズが出てきた。カメラを始めたばかりのときに、先生や仲間たちのなかで評判が良かった、フォクトレンダーというレンズだった。

 

当時使っていたキヤノンマウントのレンズ、いま使っているカメラにはどれにも合わない。

でも、コンパクトでクールなフォルムが好きで大切に仕舞っていたのだが、使わないと意味がないなーと、思い切って売ることにした。

 

 

撮りたい写真の方向性

 

レンズを買った当時は、ただ人気のレンズだからという理由だけだったが、今になってみるとなぜそのレンズなのか?を考えていなかったなあ、とつくづく思う。

私の作品の方向性がある程度見えてきたので、どのレンズなら自分の作品に合うのか、も考えるようになったからだろう。

 

今の時代、オールドレンズやフィルムカメラが人気だけれど、まずは「何を撮りたいのか、どのように撮りたいのか」を考えるのが先なのだと思う。

 

先日読んだ大平一枝さんの台所のコラムで、「誰かが良いというものや、こうすべきというものが自分に当てはまるわけではない。」という一文を読んだとき、ああ、レンズもカメラも同じだなあと思った。

他人からの意見はあくまでもアドバイスにとどめ、そこから自分自身が頭を使って考えていくことが大切なのだ。

 

 

モネとレンズ

 

日本人は画家のモネが好きで、美術館で展示があると来場者が増えるのと同じで、オールドレンズというとなんとなく新製品のレンズとは違って面白いから買ってみよう、というのと似ているような気がする。

 

まずはオールドレンズを体験し、そこから何かが掴めた人は、きっと自分の作品を発見できるにちがいない。

反対にオールドレンズという括りから離れられない、という人は、次の新しいものがでてきたら、そちらも試してみたくなるのではないかな?

 

どちらが良いとか悪い、ではなくて、深く掘り下げるか、浅く広く楽しむか、の違いなのでしょうね。