「自分らしさ」という迷宮

 

主催する写真教室のテーマは、「自分らしい写真」を目指すこと。

その他の写真教室でもこの言葉はよく使われているけれど、けっこうな曲者のワードだと思う。

 

「自分らしい」=「ほかの人が撮らない写真」

 

だと思う人が多いのでは?と感じるのは私だけだろうか?

そもそも「自分らしさ」は、自分ではわからない。だって、自分は日々変化するから。

また、他人から「●●さんらしいですね」と言われるのは、大概、相手が思う、また、そう思いたい●●さんのイメージであるわけで。

 

私が思う「自分らしさ」とは、自分に素直に向き合っていることを指すのではないか、と思っている。

そして相手に対して素直に向き合える人は、自分にも素直に向き合えている人が多いように感じる。

いつでもありのままの自分を受け入れられることが、「自分らしい」ことなのではないかしら。

 

写真と向き合うことは、自分らしさとの対峙そのもの。

先日、あるキュレーターさんと話していたとき、

 

「誰でもが撮る写真ではなくて、あなたが見て、心で感じた写真を見せてほしい」

と言われてはっとした。

 

ああ~、はずかしい・・・

「自分らしい写真」を出したつもりだったが、「良く思われたい」写真だったと後から気づいた。

 写真で嘘はつけませんね。