空白のとき

 

あと1週間で大阪の個展が始まる。作品はすでに大阪に到着し、発表の場を待っている段階だ。

 

つい先日、新宿での個展開催まで伴走してくれたM氏に電話をしたところ、

「ノスタルジー以外の写真もそろそろ発表してみたらどうか?」とのアドバイス。

 

自分自身、ノスタルジーを意識して撮っているわけではないのだが、

写真家としていろいろな写真を撮れたら楽しいだろうな、と思い始めた。

 

そんな時、なぜか昔撮った写真を見たくなって、5年前のハードディスクを覗いてみた。

 

思えばこのころは、主宰する写真教室で一度にたくさんの生徒さんが退会したり、

バッシングもあってかなりへこんでいたころ。

 

全くと言っていいほど、写真作品のデータが残っていなかった。

残っているのは、写真教室の講座の様子だけ。

 

写真は心が安定していないと撮れないものだよね、と、日ごろ生徒さんに

話しているが、このころの私がまさに心が不安定な時期だったのだ。

 

しかし、4年前くらいから少しづつ作品を撮り始めていたようで、

そんな中から今日の1枚を選んでみた。

 

来年3月の個展作品は、以前の作品を見直して選んでみようかな。

 

 

空白の時があったからこそ、今がある。

 

そう思えるようになったのは、成長できた証だよ!と、

たまには自分を褒めたい気分になった、残炎のひととき。

 

松田洋子写真